2009年4月3日金曜日

青かった夜明け


夜ははじまる色 朝焼けさよならの色
好きなバンド、GOING UNDER GOUNDの『ミラージュ』という曲の一節。

わりと、最近の話。
都内で終電を逃してしまい
とりあえず帰れるところまで帰ろうと電車を乗り継ぎ
深夜の相模大野駅に降り立った。
さて、どうしたものかとすっかり酔いのさめた足で駅前を歩く。

大丈夫、わたしはヨルニイキルモノ。
ひとりのとき、とくに夜においては強いのです。
夜の明かし方はいくつか知っている。
以前、酔っぱらって道で寝ていた、という先輩がいたけれどもそれはさすがにしたことがない。

ファミマで雑誌を買い、
それをめくりながら、デニーズでコーラをのみながら朝を待った。
店内には、落ち着きのない様子で書きものをするOLや
悲壮感漂う猫背の若いサラリーマンや
夜中にも関わらずしっかり食事をとる中年の女性…
まばらにひとが座っていた。
(なんとなく、村上春樹の『アフターダーク』を思い出した)。

眠気さえ無視すれば
朝までの時間を自由に使ってよいのだ今わたしは、
ふふふ、と愉快な気持ちになる。
自由なのはいつものことだけど。
時間を持て余している(と意識する)ようなことは
普段そうあるものではないので、貴重な夜明かしだった。

ようやく動き出した始発に乗り込んだ。
夜の気配をひきつれたひとと、朝の匂いのするひととが
同じ車両の中で混ざり合っていた。
ひとが少ないので、正面の窓から広く景色が見える。
そうか、夜と朝のつなぎ目は青かったのだ。






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