夜ははじまる色 朝焼けさよならの色
わりと、最近の話。
都内で終電を逃してしまい
とりあえず帰れるところまで帰ろうと電車を乗り継ぎ
深夜の相模大野駅に降り立った。
さて、どうしたものかとすっかり酔いのさめた足で駅前を歩く。
大丈夫、わたしはヨルニイキルモノ。
ひとりのとき、とくに夜においては強いのです。
夜の明かし方はいくつか知っている。
以前、酔っぱらって道で寝ていた、という先輩がいたけれどもそれはさすがにしたことがない。
ファミマで雑誌を買い、
それをめくりながら、デニーズでコーラをのみながら朝を待った。
店内には、落ち着きのない様子で書きものをするOLや
悲壮感漂う猫背の若いサラリーマンや
夜中にも関わらずしっかり食事をとる中年の女性…
まばらにひとが座っていた。
(なんとなく、村上春樹の『アフターダーク』を思い出した)。
眠気さえ無視すれば
朝までの時間を自由に使ってよいのだ今わたしは、
ふふふ、と愉快な気持ちになる。
自由なのはいつものことだけど。
時間を持て余している(と意識する)ようなことは
普段そうあるものではないので、貴重な夜明かしだった。
ようやく動き出した始発に乗り込んだ。
夜の気配をひきつれたひとと、朝の匂いのするひととが
同じ車両の中で混ざり合っていた。
ひとが少ないので、正面の窓から広く景色が見える。
そうか、夜と朝のつなぎ目は青かったのだ。
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