2005年12月2日金曜日

ついに水曜日2


前回までのあらすじ:
ゼミ課題でインタビュー記事をつくることになった春昆布。
インタビュー相手を「今いちばん会いたい人」にお願いする。
するとなんと本当にインタビューさせていただけることになったのだ!

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時間がきた。新幹線の改札口前でビシっと立って待つ。
私の腕時計はいつも少しすすめてある。
だからもう少しだ。
新幹線降りて階段を下りる時間がかかる。
だからもう少しだ。
襟を正す。深呼吸。カバンを握り直す。
目をつむる。ゆっくりまばたき。ばち、ばちばち。
上を見上げる。階段から人がぱらぱらと降りてくる。
私の目は左右に動いて探す。ちがう。ちがう。ちがうちがう。
あ。
電話で聞いた特徴、黄色いマフラー。
写真で見たことのある顔。
あのひとだ!!!!!
ど、土、ド、度、ど、℃、・・・心臓がでそうだ。
降りてきて、改札を通って、こっちまで来るときは、まばたきが止まった。
一瞬一瞬一歩一歩がコマ送り。映画でなくてもこういうことが起きるんだよ。

「よろしくおねがいします」
スタバへ。インタビュー開始。超緊張。
お気に入りの無印の文庫本型ノートがたよりなく見えた。
たのむぜはるこノート。おまえがたよりだぜ。
話しはじめた。メモ&話す。
レコーダー持っていけばよかった。
メモしてる時間がもったいない。もっと話したい。
用意していた質問以外に聞きたいことが次から次に出てきて、もうすごくたのしかった。
いろいろ話してもらった。めちゃめちゃおもしろかった。
(インタビュアなのに)自分のことを話したりもした。
7時過ぎから10時過ぎ(東京への新幹線最終直前)まで
…3時間くらい付き合っていただいた。
そのあいだずっと感激しつづけていた。

帰り際に握手してもらった。きゅ。
この手が、あの物語を生み出しているのだ。
この手で、あの情景を私のあたまの中に映し出すのだ。
別れ際にもう一度握手をお願いした。
なにかのお祈りをするみたいに手をにぎった。ぎゅ。

「ありがとうございました」
改札口の外から階段をのぼっていくのを見ていた。
何度か振り返ってくれた。もう、なんていい人なんだ。
手を振った。

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帰りに駅で美輪明弘らしき人(おそらくホンモノ)を見た。
あ、と思った。
でも私の脳みそは、インタビュー時からくつくつと沸騰していて、
心臓はばくばく動き過ぎて体を飛び出してどこかに出て行ってしまっていたので、
そっちに意識がいかなかった。
今考えるとすごいよな。美輪明弘が静岡に。
そんだけインタビューのほうにコーフンしてたってことだよ。

電車の中ではぐちゃぐちゃのメモにいろいろ肉付けした。わすれないうちに。
わすれるわけないけど。
落ち着こうとしたけど、とてもじゃないけど、昂る気持ちが抑えられなかった。
それから買った本を読んだり。
だれかにメールしようと携帯開いてカチャカチャしてみたり。
(インタビュー報告しようと思ったんけど、舞い上がってうまく文章にならなかった)
でていった心臓を元に戻すのはたいへんな作業だ。

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あー、こんな機会と善意に恵まれて、
インタビュー記事うまくまとめられんかったらいけんなあ。
ああ、、、なやむなあ。(しあわせななやみ)






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