2008年2月29日金曜日

日曜日のトークショー2


中村航さんのトークショー@葛飾区立上小松図書館に行ってきた。

いったん整理券をもらいに行って、
外に出てぶらっと時間をつぶしてからまた図書館入り。
朝、到着が遅かったからちょっと心配だったけど無事に入れてよかった。
会場に来ているひとたちを見ているとおもしろかった。
年齢も性別もタイプもばらばら。
こんなにいろいろなひとが同じひとの書く小説を愛しているなんて!
とおどろきと感動。小説の力って偉大だな。
わたしの席の右隣のおじさんはトークの内容を赤ペンでときどきメモっていたし
左隣の大学生ふう男子は話をききながらよく笑っていた。
ゲストもすごかった。
レアでライブ感たっぷりのすごい近いトークショーだった。

最後にミニサイン会、なるものもあった。(豪華!)
どの本にサインしてもらうかものすごく迷ったけど
小田原市民としては最高の一冊、
『あなたがここにいて欲しい』にお願いした。
順番がまわってくるまで自分の心臓の音がきこえるくらいドキドキした。
「おもしろかったです」と発した一声が自分の声じゃないみたいに遠くきこえて、
今すごい緊張しているわたし!と思った。ドキドキ。

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(そういえばずいぶんと日記をつけていなかったから
読書記録も止まってた!から今書く。)
『あなたがここにいて欲しい』

守れるものの総量はとても限られている。

浮き立つ気持ちを解き放って、
愛しいものを愛しいと謳おう。
こぎれいな服を着て、歌うように世界を歩こう。
抱きしめたいものを抱きしめよう。


小田原炸裂!の小説。
提灯とカマボコ、小田原城と城址公園とゾウ、
大雄山線、守谷のあんパン…
びっくりするくらい小田原。
そのひとつひとつにうれしくなってしまう。
(まだ住み始めて1年たってないけど)小田原市民としては何だかとても誇りに思う。

恋愛小説、とくくるのにも違うし
青春小説、と言い切ってしまうのももったいない。
そういう分類を超えてるドラマ。
読んでいるとちょっとたのしい気持ちになって
読み終わると大きなしあわせに包まれる。
くすっと笑えるエピソードが積み重なって
物語全体があたたかい空気で満ちている。
そしてその空気の中にひっそりと
するどく光るものが、
あちらこちらに散りばめられている。
こう、わたしの奥のほうの何かを
ぎゅっとつかんでくるような、ひっぱりだされるような、
大事な大事なメッセージ。
中村航の小説はいつもそうだな。好きだな。

吉田くん(主人公)の考えていることはすごいことだ。
ときどきスッと共感し、ときどきハッと気づかされる。
‘世界は愉快で平和であってほしい、吉田くんはそう思う。
考えてみればそのために、まず一番にすべきことは、『感じよく振る舞う』ことだった。’
‘いつだって何かが足りない、吉田くんはそう思う。’
・・・
好きな歌のフレーズを繰り返し口ずさむように、何度も読み返している。

そして恋人どうしのふたりの会話や行動がかわいくてたまらない。
こんな恋がしたい。こんな誰かと出会いたい。
(ますます夢見がちに・・・)。

はじめエッセイかと思った(でも違うらしい)『男子五編』
なんとなくどこかで読んだことある気がしていたら
ほんとに読んだことがあったみたい。
『あの頃のこと Every day as a child』『あの日、ライ麦畑に出会った』
などに収録のものが再構成されたらしい。
『LOVE or LIKE』にあった『ハミングライフ』も収録。
ぎゅぎゅぎゅっとつまった一冊。






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