2011年6月11日土曜日

突き抜け派、夏の新刊

『突き抜け3』がでます。
小説集の同人誌です。
「突き抜け派」のしーなねこさんイガラシイッセイさん
たかはしりょうたさん阿藤智恵さんひのじさんが執筆しています。
5編・A5判・全124ページ。

■購入方法
①文学フリマ(文学限定の同人誌即売会)で。500円。
「第十二回文学フリマ
2011年6月12日(日)11:00〜17:00 入場無料
大田区産業プラザPiO(京急蒲田駅 徒歩3分)
スペース「M-02」へ。
②通販で。650円(送料込み)。
こちら(購入フォーム)からどうぞ。

○○○
いやあ、おもしろかったです。
いち読者としてかんたんですが感想を。

『サドル泥棒事務所』/ しーなねこ
おもしろいのですが、なぜおもしろいのか説明がつかない、
こういうものにどうしようもなく惹かれてしまいます。
液体が流れ込んでくるように音や映像のようなものが
量としていっきに押し寄せてくるような小説です。
ものの意味を通り越して、具体的な感覚として訴えかけてくるような。
『杳窕の町』/イガラシイッセイ
ようちょうのまち、と読むみたいです(漢字調べた)。
杳窕っていうのは、はるかに遠いさまをあらわす形容動詞のようです。
うつくしいな、と思いました。硬質で。鋭利で。
切り取って鑑賞したいくらいのきれいな文章。惚れ惚れします。
小説へのほめ言葉として適切か分からないけど、かなり、おしゃれ。
『知らない手』/たかはしりょうた
わたしは泣いてしまったんです。読んでほんとに泣いてしまったんです。
なんでなんだろう。
この小説のやさしいメッセージがたくさんのひとに届くといいな。
よい気持ちもわるい気持ちもただしい気持ちもまちがった気持ちも
(ほんとは気持ちはただそこにあるものだから善悪も正誤もない)
生きていくっていうのはぜんぶ持っていくのだと思いました。
『ツヅキ2011』/阿藤智恵
ずっと読んでいたい、ずっと見ていたいと思いました。
カフェで親しいひとと向かい合って話をきいているような心地よさ。
ほかのだれでもない、わたしに向けて話してくれているみたいな。
物語の世界に、すぅぅぅぅぅっと、ひきこまれました。
わたしがこれまでに会った好きなひとたちは今どうしてるかな、
とふと思いました。
わたしがここで過ごしている今は、すごく尊いものなんじゃないかなあ。
『臨海のころ』/ひのじ
北九州出身者としては小説の舞台にぐっときてしまいます。
遠くに見える工業地帯とか海沿いの道とか、青春の匂い。
あの頃全体を覆う淡いうつくしさ。もう二度と戻らない儚さ。
透き通った爽やかさ。女の子。高校生。学校。制服。
女の子から見える女の子のかわいさとかきれいさって、きっと特別。
それがちりばめられた小説だと思います。
○○○
全力でおすすめします!

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