2008年9月22日月曜日

からっぽになる日曜日1


降るか降らないか分からないのであれば傘は持っていかない。

わたしはわたしのそういうところをどうにかしたいと思っている。
でも簡単には変えられないということを、
長年の付き合いの中で知ってしまっている。


さえない日曜日だった。
うれしいのかうれしくないのか分からない、
自分はなにをやっているのかと思うような予定がなくなり
それでも雨が降る中をただぼんやりと過ごした。

ここのところ窓を閉めたままであることが多く
(ひどいときにはカーテンもずっと閉めっぱなしだ)
雨の音や匂いにひどく鈍感になっている。
テレビをつけていても天気予報があたまに入ってこない。
自分には関係のないことみたいだ。
出かけようとして部屋のドアを押してからはじめて
「今日は雨か」と気づく。

部屋で部屋に散らばる本や雑誌を読んだ。ときどき眠った。
テレビもいいのをやっていない。
(そもそもきちんとチャンネルを合わせていないので、見られる番組は限られている)。
ネットもつまらない。
(毎日似たようなページを行ったり来たりしている)。

お香を焚いた。
先輩からいただいたフランス土産。
買ったばかりのお香立てを箱から出してセット。
つまらない雨の日にはお香を焚くことにしているの。
いい香りがして、わたしはそれだけで気分がよくなって
テレビを消してPCを落として、音楽をかけた。


夕方になって、転がしていた携帯が鳴った。
そうだ、朝、友達にメールを送ったのだった。
昨日の夜、レイトショーで観た『おくりびと』の感想。その返事だった。
彼女はとてもかわいいひとだ。
メールには可愛らしいことばと顔文字、絵文字がにぎやかに並んでいる。
文字にしても記号にしても携帯特有の絵文字にしても
同じ材料を使っているのに
どうしてこうも自分と違うのか、とわたしはささやかな絶望を味わう。

で。その返事にまた返事をしようとメールボタンを押してみたところ。
メールの画面に切り替わらない。
「初期化中」という表示がしばらく出て、またすぐ待ち受けの仏像写真に戻る。
何度押しても同じだった。
電源を落として再度挑戦してみてもだめだった。
じつは携帯はもうずっと調子が悪かった。
ついにもうどうにもならないふうになってしまったようだ。

出かけねばらならなくなった。携帯ショップに相談だ。
もう、どうしてわたしをひとりにしておいてくれないのか。
(ほんとうにひとりでいたいのなら携帯なんて必要ないんだけど)。
ゆるゆると閉店間際のショップへ。
データは保証できないとのこと。たぶんだめだということ。
電話帳だけは代替機に移した。
もういっそぜんぶ消してしまってもいいかな。
と、一瞬思ったけどやめておいてよかった。
わたしはまだ、みっともなく世の中にしがみついている。

代替機には、受信メールも着歴も写真も着うたも何も入っていない。
全部からっぽ。少しこころぼそくなる。でもすがすがしい。






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