わたしのはたらく街では初雪なのだそうだ。地面に落下する速度がはやいわりに、積もらなかった。とにかくひどく寒かった。からだの隙間という隙間につめたい空気がすべりこんでくるみたいで、どうしたって逃げられないような気がした。
夜の黒色がいつもより深い。白い息はますます白い。月が高いところでするどく光っている。
こうやって帰り道に真上をみあげるような日がある。ときどきある。つかれてなんかないけどね。さみしくなんかないけどね。
ただ今日は、「雪が降ったよ」って誰かに言いたかったかな。それだけなんだけどね。
おやすみ、明日もわたしは大丈夫。明日は大丈夫。
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