部屋に帰ったら、サンタが煙草に火をつけながら
「遅かったじゃねぇか」とあぐらをかいていた。
じゅうたんの上にはワインの空き瓶がころがっている。
「ああ、おつかれ」。わたしはケーキの箱をコタツ机の上に置いた。
「もう終わったの」と訊くと
「いや、もういいんだ。やめた。
同業者が多くてまいるよ」。
ふはーっ。サンタは顔をしかめて煙を吐き出した。
○
朝、目が覚めると、枕元にプレゼントが―。
職場のパパたちの、サンタ準備の話をきくと
なんだかしあわせな気持ちになれた。
サンタクロースがいるって知ってる子どもはしあわせだ。
ヨメサンタ。
奥さまにもプレゼントをあげたいな、と言っているひとがいた。
すてき。
わたしが奥さまにこっそりと
「サンタの正体は、いちばん近くにいるひとですよ」とおしえてあげたい。
どこにサンタがひそんでいるか分からない、
クリスマスってすてきな日だよ。ほんとに。
ほんもののサンタの出る幕ないんじゃないかしら。
○
24歳女子的には、それなりに
ラブいクリスマスにあこがれたりもする。
でもまあいいのだ。
コンビニで雑誌をひととおり眺めてから
コーラとムギムギを買って帰った。
あいかわらずロマンティックはないけれど、
わたしはちょっとハッピーなのだ。ちょっとだけね。
○
でもゲンジツはそんなことまったくおかまいなしだぜ。
世の中きびしいぜ。
明日、がんばろう。
返信削除小説っぽい書き出しが最高です。
小説始めて。
メリークリスマス。