ここのところ恋愛小説ばかり読んでいる。
友達に「それは恋愛したいからなんじゃないの」と言われた。
そうなのかな。
自分の芯のほうまでゆさぶられるような話だった。
わたしがずっと考えていたこと―
誰かを好きになって
でもそれが届かなかったり離れてしまったりしたとき
その気持ちはどうなるのだろうかってこと。
こたえをじんじん、と感じた。
恋ってひとつひとつ、終わっていくものなのだろうか?
誰かを好きになった気持ちは
どこへいってしまうのだろう?
どこに逃がせばいいんだろう?
わたしは、その術を未だに知らない。
葉山先生も小野君も、
どちらも素敵。現実にいたら恋してしまいそう。
わたしにも二人みたいな
人生とか思想とか、自分の好きなものでもいい、
何か真剣に話し合えるひとがいたらいいな。
小野君が話すことはかなりいい。
「・・・君よりも苦労してがんばっている人がいるんだから君もがんばれ、なんて言葉は無意味で、個人の状況を踏まえずに相対化した幸福にはなんの意味もない。誰だって本当は自分の好きなことや明確な人生の目標に対してしか苦しんだり努力したりはできないものなんだから。君が本当に今の場所から離れたいと思ったとき、僕はそれを逃げているとは思わないよ」
これなんか、すごい。
そうだよ、そうなんだよ、と読みながら熱いものがこみ上げてきた。
「つらいのはおまえだけじゃない」「みんながんばってるんだ」
なんていうのは自分がつらいときに言われてもまったく意味がない。
焦りと苛立ちしか生まない。
なのに、これまでの人生で何度も投げかけられてきた。
小野君よ、よくぞ言ってくれた、と思った。
わたしは小説や映画、漫画の中で
第2の男ポジションのひとにぐっとくることが多い。
(たとえばハチクロの野宮さんとか)。
小野君はいい。
おもしろい!
文章がめちゃめちゃで
1行目からこれは読めないやと挫折しかけた。
でも読み始めたら、もう、夢中。
すごいの。
主人公の女性の考えや行動はとんでもないんだけど
でもなんかカッコいいとさえ思ってしまう。
あれくらい自分の信じたものを持てれば
それを貫き通せたら
(それが滑稽なものであっても)
すてきだとても。
島本理生と角田光代の短編読みたさに買った本。
期待どおり、どちらも味のあるお話でアタリ。
ほかの知らなかった作家の短編もおもしろくて、アタリ!
とくに『海のなかには夜』/生田紗代が好き。
恋愛感情と苦手意識が奇妙な同居を続けたまま、
私は高橋さんを好きだった。
たしかに好きなんだけど
そのひとのことが苦手でしょうがない。
姿を見るとすごく嬉いのに
一緒にいると逃げ出したくなる。
そういう気持ちは自分もすごくよく分かるので
わたし以外にもそういう感情をもったひとがいるんだ、
ってちょっと安心した。
タイトルはあんまり好きじゃないけど
(わたしは、大事なのは今の自分、だと思う)
内容はなかなかおもしろかった。
広告について知りたくて手に取った本。
文章は(訳されたものだからかな)ちょっと読みづらいけど
言ってることはオシャレで分かりやすい。
はっと気づかされること、
なるほどなー、と思うことがところどころにあった。
わたしも仕事のできるひとになりたい!
大事なのはきみが何を知っているかではない。
誰を知っているかだ。
大学にいるときもきいたことのある言葉だけど
ほんとにそのとおりだな、と今改めてかみしめる。
写真と短編の本。
東京のありそうな風景を切りとった写真がよかった。
ぱらぱら本をめくったとき
すばらしい、とかきれい、とかとりたてて感激はしなかった。
なんだ、ふつうじゃないか、と思ったくらい。
でもそのふつうさが写真のすごいところなのかもしれない。
そこにある風景をそこにあるまま切りとる。
できそうでできないこと。
わたしもまねしたい。
角田光代の書くものはやっぱりおもしろい。
とくに『見なかった記憶』というのがよかった。
見たものより見なかったもの。会えた人より会えなかった人。口に出せたことより出せなかったこと。食べたものより、食べることのかなわなかったもの。関係をもった人よりもたなかった人。いった場所よりいくのを断念した場所。手に入れたものより、どうしても手に入らなかったもの。それらは空白としてではなく、ある確固とした記憶として私のなかにある。
たしかに、手に入らなかったものというのは
ずっとわたしの中に残っている。
でもそのことにはずっと気がつかなかった。
かたちにならない思いをことばにする、
それってすごい。
このひとの書く小説は好きだ!
と、読むたびに思う。
とても他人だとは思えないくらい
登場人物のことを身近に感じてしまう。
可笑しくもあたたかくて、せつない。
関係ないけど
「泣かない女はいない」に出てくる桶川さんというひと
イメージはまったく違うのに
ぜんぜん違う仕事をしているのに
自分の勤める会社のとあるひとのことを思い出す。なんでだろう。
独特の世界にひきこまれる。
前にも読んだことがあるのだけれど
文庫化していたので、買って改めて読んでみた。
「世界の終わりという名の雑貨店、が一番好き。
あの最後の一行を書けるひとはほかにいない」と
野ばらファンの女の子が言うのをきいて
はて、最後の一行ってなんだったっけ、と
それを思い出したかったから。
野ばらちゃんは本当に繊細なひとだな。
純粋すぎることは哀しいことだと思った。
哀しいけどうつくしい。
休みの日、どこかへ出かける電車の中で
仕事帰り、ファミレスやファーストフードで
寝る前に寝ころんで、お風呂につかりながら
本を読んでいる。だいたい何冊かを並行して読みiめている。
朝も夜も関係なく没頭できたような大学の頃ほどではないけれど
でもちょっとずつ読めるくらいの時間はある。しあわせじゃないか。
おしえたい本はほかにもあるんだけど、
書きすぎてしまったので
続きはまたこんど。
返信削除ナラタージュ!私もぼろっぼろ泣きながら読んだよ〜
駅のホームで別れるところの感じが好きです。
これを読んでから恋愛小説にも購読意欲がわいた〜
またおすすめを教えてください☆
返信削除>まりまり
いいよね!!!!!(声を大にして言いたい)
ナラタージュはホント胸の奥をつかまれるような思いで読みました。
わたしも駅のホームの場面にはうっときました。
恋愛小説いいよねぇ。
普段の生活でもせつないことだらけなのに(しょっぱいとでも言おうか)
小説にもせつなさを求めてしまう…。カナシス。
なんかいいのあったらまた是非まりまりのおすすめもおしえて!!!